2020.10.30

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人生100年時代、女性たちが続けられるグレイカラーを目指して

艶やかな髪とすこやかな頭皮のための大人のグレイカラー『ルビオナ』は2020年7月、新色を追加、カラーバリエーションを7シェード・37色展開に拡充し、現在、全国の理美容サロンで展開中です。人生100年時代に突入し、今を生きるエイジング世代の女性たちの“髪”や“頭皮ケア”に対する悩みやニーズは複雑化しています。健やかで美しい人生を生きるために、ヘアケアのプロフェッショナルメーカーとして何が提供できるのか?「グレイカラー(白髪染め)」という視点で立ち向かった社員2人を取材しました。

ルベル事業部 化粧品研究開発部 第一研究所 研究員 岡本健太郎

加齢による疾患の創薬研究もグレイカラー研究も、モノづくりの根底は同じ

薬学系の大学院で臨床薬理学を専攻していました。担当教授が主に内科学を専門にし、もう一人は神経薬理学専門にする准教授。私は、そのお二人を師事していたこともあり、糖尿病やアルツハイマー病など、加齢に関連した疾患の創薬研究が専門でした。大学院時代の同期は、製薬会社の研究員志望がほとんどの中、美容にも興味があったのでタカラベルモントの入社試験を受けたところ合格。学生当時通っていたサロンの憧れの美容師さんに「タカラベルモントに合格したよ!」と話したら、「すごく良い会社に合格したね」と言ってくれたこともあり入社。以来8年間、ヘアカラー研究一筋です。今回発売になった『ルビオナ』には基礎研究から関わっています。加齢により起こりうる疾患の“糖尿病”や“アルツハイマー”、そして“白髪”。研究としては、全く異なる分野です。しかし、当時学んでいた学問が今のグレイカラー研究にも役立っています。特に、カラー剤では頭皮の刺激についての研究は、常に向き合う課題です。「人間は必ず歳をとる生き物」という前提での研究は、加齢という言葉をネガティブにとらえるのではなく、どう立ち向かっていくのか?そのためのモノづくりは?という視点で見れば、創薬研究もグレイカラー研究も根底は一緒だと考えています。

粘り強さが生んだ「処方改良番号53番」

研究者として最初の頃は、髪のハリ・コシを出しすぎてしまい、髪がぴんぴんになるようなモノを作ってしまって、凄く怒られてしまった、、、なんてことも。特に、松野マネージャー(略:松野)には、「使う人の髪、ちゃんとイメージできてる?こんなん、誰が買うの!?」って(笑)。確かに、出来上がった結果を見て、怒られて当然だと思いましたけどね。でも、これだけ直す箇所があるなら、全部自分でやってやる!という気持ちにもなりました。

その後、『ルビオナ』の開発時には、サンプルを外部の協力サロンの皆さまにもお渡しして、アドバイスを頂いて、直しての繰り返し。気がついたら53回も作り直していました。粘り強く研究し、結果に対して深い考察をするという大学院時代の先生の教えは、『ルビオナ』をはじめとした研究姿勢の根底にあるのだと感じています。

ルベル事業部 化粧品マーケティング部 製品開発課 マネージャー 松野和子

私が欲しかった、“理想のグレイカラーメニュー”を目指して

2014年の夏から、ルビオナの製品開発を担当しています。当時、エイジング世代に差し掛かっていた自分が、グレイカラーに求める理想的なメニューが無かったというのが発端です。だったら作ってしまおう!と思い立ってこのシリーズを立ち上げました。私は、美容室専売化粧品ブランドを製造発売している企業に勤めているので、サロンの事情はよく分かっているつもりなのですが、事前に予約をせずに利用したり、お店に入ってからメニューを変えたりすることもありました。また、お店に行ってメニューを見てから「ヘッドスパをやりたい」とお願いしても、予約が一杯で断られることも多々あります。そして、働いているので休日しかサロンに行くことはできません。だから「カラーをするついでに、いつでも簡単にできて、しかも、短い時間で色々できる」という理想のグレイカラーメニューができれば、お客様にも、理美容サロンの皆様にも受け入れられるのではないかと考えたのです。

グレイカラーは、“真のエイジングケア*”

プロジェクト立ち上げ当時、自分もエイジング世代に差し掛かっていましたので、「グレイカラーとは?」について、向き合う日々が続きました。女性は、なぜ、何のためにグレイカラーをするのか?私なりに考え抜いて行きついた答え、それは“真のエイジングケア”ではないかと。

過去にもヘアケアのエイジングケアブームがありましたが、多くの女性は、髪よりも肌のエイジング意識が高く、投資も多いのが現状です。白髪は、自分でも認識しやすいため、実はエイジングを一番実感しやすい状態なのです。自分自身、白髪を自分の目で見たときに初めてエイジングを意識し、しっかりケアしないといけないという気持ちになりました。だから、単なる白髪染めではなく“トータルエイジングケアのカラーメニュー”という提案があれば、受け入れられるのでは?と考えたのです。そして、何よりも、今、日本が迎える高齢化社会において、“トータルエイジングケアのカラーメニュー”は、生活者の方だけでなく、理美容サロンの経営においても需要はあると思っています。
* 年齢に応じたケア

30分という“長い待ち時間”を、“有益な時間”に変えるという発想

『ルビオナ』は、市場への導入までに約2年半の時間を費やしましたが、アイテムによっては着想から製剤まで約4カ月という稀にみる短い時間で作り上げました。その当時は、家、会社、研究所、サロンをぐるぐる回る毎日でしたが、完成した時は絶対に受け入れられるという“確信”がありました。

一番苦労したのは、カラーの塗布前に使う「ルビオナ スキャルプモイスチャー」の開発です。この製品には、単なる頭皮用のプレ処理剤としてだけでなく、ミニヘッドスパの様な効果も目指しました。カラーをされた経験がある方ならお分かりだと思うのですが、カラーが髪にきちんと染着するように置いている時間を、サロンでは「放置タイム」と呼んでいます。施術においては必要な時間ですが、お客様にとっては長い待ち時間。これをどうにか有益な時間に変えられないか?と考えたのです。

プレ処理剤として塗布した「ルビオナ スキャルプモイスチャー」が、ヘアカラーをしている間に角質層まで浸透し、頭皮ケアが同時にできたら、なんとなく過ごしていた30分が意味のある有益な30分に変わります。お客様視点に立ったこの開発に成功したことが『ルビオナ』の骨格を作り上げたのではないかと思います。

女性たちが続けられるグレイカラー。だから、人生はもっと楽しくなる2人が目指すグレイカラーとは?

岡本:私の未来の夢は、めちゃめちゃ刺激が少なく、めちゃめちゃ白髪が染まるグレイカラーを研究開発することです。そして、何より大事なのは、“誰もが使える”という事です。これは、グレイカラーのモノづくりにおいてとても大事な要素だと思っています。こんな未来の夢の様な製品にチャレンジしてみたいですね。

松野:私は、製品開発という立場で“ダメージが少ない”ということに徹底的にこだわり続け、岡本と一緒に夢の製品にチャレンジしていきたいと思います。
女性が使い続けられるグレイカラーなら、ヘアスタイルを楽しむこと、パーマをかける喜びにも繋がるのではないでしょうか。そして、歳を重ねても、人生はもっと楽しくなる!と思って頂けたら嬉しいですね。

“続けられる”という価値。それは、グレイカラーを楽しむ女性のお客様はもとより、このコロナ禍でご苦労されているサロン様の経営基盤を支えていく大きな柱になっていくのではないでしょうか。

 

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