2021.03.31

  • ヘアサイエンス

毛髪のダメージ要因~ダメージと水について~

毛が絡まったり、パサついたり、乾燥したり、枝毛や切れ毛などさまざまな悩みの要因となる髪のダメージ。そもそもなぜ髪は傷むのでしょうか。

原因は大きく分けて二つあります。一つは日常的に生じる物理的ダメージ、もう一つは主にカラーやパーマなどの薬剤を使用した化学的処理で生じるケミカルダメージです。この互いに連鎖してしまう二つのダメージは、日常生活の中で繰り返されることでより大きなダメージとなってしまいます。

ここでポイントになるのが水。髪のダメージと水の関係について解説します。

水に濡れると髪が「もろく」なる理由

シャンプーしたり、雨に濡れたり、日常生活で髪が濡れる場面は多々ありますが、髪は濡れるともろくなる性質をもっています。毛髪には、「CMC(細胞膜複合体)」と呼ばれる水や油の通り道があり、この「CMC」から髪の内部へトリートメント成分が入り込むことで、補修効果が得られます。一方で、「CMC」から髪の内部へ水が吸い込まれると、毛髪を形づくる水素結合が外れてしまい、髪が柔らかくもろくなってしまいます。髪が濡れて柔らかくなった状態は、普段の生活でも実感できますが、そんな時にはダメージを受けやすくなっているので注意が必要です。

摩擦が起こるブラッシングには要注意

日常生活での一番のダメージ要因は、摩擦です。髪が濡れたまま寝るのは良くないといわれていますが、その理由は、濡れてもろくなった髪と枕がこすれることでキューティクルが傷ついてしまうから。濡れた髪にブラッシングやタオルドライをする際も、摩擦が起こりダメージを受けやすくなってしまうので力加減には注意が必要です。

さらに、濡れた髪は引っ張ると伸びやすくなります。極度に伸びてしまった髪は、元に戻りません。コームやブラシを通すときは、絡まりや引っかかりにも気を付けましょう。

パーマやカラーは施術後のケアが大切

パーマやヘアカラーは、過剰にやりすぎると髪に負担がかかってしまいます。パーマでは髪の内部に、ヘアカラーは髪の表面に特に負担がかかりやすくなります。どちらも、毛髪表面を覆う油膜を取ってしまったり、毛髪内部のシスチン結合を酸化してしまうことがあります。それが原因で、毛髪が水を吸収しやすくなるためダメージが進行しやすくなります。

ヘアカラーの変色や、カールやウェーブが崩れてしまうのを防ぐためにも、ヘアサロンでパーマやカラーをした後は、しっかりケアしてあげましょう。例えば、毛髪が失ったタンパク質や油分を補給して髪の内部まで補修してくれるサロントリートメントを受けることは非常に効果的です。自宅でも栄養補給ができるヘアマスクや、摩擦を軽減できるヘアオイルなどを使用するとダメージの連鎖が抑えられ、パーマやカラーがより一層楽しめるようになります。

濡らすことでよくわかる髪のダメージ

ダメージと水には密接な関係があります。だからこそ、髪がどれだけダメージを受けているかは濡らすことで確認できます。

ダメージレベル0~1程度の健康な髪は毛髪表面に油膜があるため濡れにくく、ダメージレベルが2~3に進んだ髪は水を吸い込みやすくなっています。さらに、ダメージが進んで4~5になると水を吸ってもすぐにパサついてしまいます。太くて弾力のある髪は、ダメージを感じにくくなりますが、濡らしたときに水を吸い込みやすくなっていたら注意しましょう。(表1.参照)

日常生活でダメージを抑えるためには、お風呂上がりはドライヤーを使って手早く乾かすなど濡れた髪を放置しないことが重要です。美しく健康な髪を維持するためには、食生活、ストレス、紫外線、熱ダメージ、摩擦などにも注意しながら、毎日のスキンケアのようにやさしく髪をケアしてあげましょう。

参考:『きほんの毛髪科学』(女性モード社刊)

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