2022.03.15

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軟水と硬水でシャンプーの仕上がりに違いが出るの?

海外旅行先でシャンプーをすると、髪がごわごわしていると感じる時はありませんか?その原因は、水質の違い。国によって「軟水」と「硬水」の違いがあり、シャンプー後の手触りが変わってくるのです。

意外と知らない「軟水」と「硬水」の違いや、髪への影響について解説します。

軟水・硬水って何?

軟水と硬水は、「硬度」で決まります。「硬度」とは水1Lあたりのカルシウムやマグネシウム(金属イオン)の含有量のことをいい、WHO(世界保健機関)が定める基準で120mg以上は「硬水」、120mg未満は「軟水」とされています。硬水は口当たりが重く苦みを感じ、軟水はまろやかな口当たりとさっぱりとした風味が特徴といわれ、日本の水道水や国産のミネラルウォーターはほとんどが軟水です。

硬水が多い地域は、ヨーロッパやロシア、北米です。地域や国で軟水と硬水に分かれる要因としては、地質や地形が挙げられます。雨や雪解け水が山から流れ出てくる間に、ミネラル豊富な地質(石灰岩)でミネラル成分を含んでいき、ゆっくりと流れ出てくるほど硬水になります。反対に、山の傾斜がきつく、水の流れが速い地形ではミネラル成分は少なく、軟水になります。

どのような地形で、どのような地質をたどっているかが、軟水と硬水の決め手となるのです。

シャンプーとトリートメントの使用感に違いがある?

海外へ出かけたときにシャンプーをして髪がごわつく場合、硬水であることが原因の一つにあげられます。このごわつきの原因は、硬水に多く含まれる金属イオンの付着による影響が大きいと考えられます。

また、一般的に水の硬度が上がるにつれ、シャンプーの泡立ちも悪くなります。(図1)

このような泡立ちの良し悪しも、水に含まれる金属イオン濃度の違いによるものと考えられます。硬水に多く含まれている金属イオン(カルシウムやマグネシウム)が、界面活性剤と結合物を作ることによりシャンプーの泡立ちが悪くなり、毛髪同士の摩擦が増えて手触りの低下につながります。

トリートメントを硬水で使用した場合もシャンプー同様、ごわつきにつながります。これも、金属イオンが髪に付着していることによる影響であると考えられます。

毛髪は、ダメージを受けるとマイナスの電荷を持った部分が露出します。プラスの電荷を持っている金属イオンが、ダメージ部分に吸着しやすくなるのです。その結果、本来ダメージ部分に吸着するトリートメント成分が金属イオンに邪魔されることになり、トリートメントの効果が低下してしまいます。

軟水と硬水、どちらがいいの?

このようにヘアケア製品は水の硬度の影響を受けやすく、硬度が高くなると期待した使用感や仕上がりが得られない可能性があります。よって、シャンプーやトリートメントをする場合は軟水の使用のほうが好ましいといえます。では、硬水の地域で生活することになった場合、髪のごわつきを防ぐ対策はないのでしょうか?

ごわつきの改善に関しては、アウトバス製品(洗い流さないトリートメント)の使用がおすすめです。なかでもイチ押しは、ミルク剤形のアウトバス製品です。ミルク剤形の製品には、プラスに帯電した成分が配合されています。その成分が毛髪のダメージ部分に付着することで、髪を洗う際に金属イオンの付着を防ぐことが可能になると考えられます。ダメージケアはもちろん、金属イオンを付着しにくくすることで、毛髪にとって良いコンディションの持続が期待できます。

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