梅雨から夏に向けて、じめじめした季節が到来します。髪の広がりが気になる方も多いのではないでしょうか。なぜ湿度が高くなると髪は広がるのでしょうか。これからの季節、どのようにケアしていけばいいのでしょう?
この記事では、髪が広がるメカニズムを解説し、広がりを防ぐ方法についてもお伝えします。
なぜ湿気で髪が広がるの?
雨や湿度の高い日は、朝、家できれいにスタイリングできていても、外へ出ると髪が広がってしまうことがあります。それには理由があります。
毛髪は、さまざまな「結合」により形づいています。
水に濡れると結合が切断され、乾くと再結合する「水素結合」がそのうちの一つです。半乾きの状態で寝てしまい、朝にひどい寝癖がつくのは、この水素結合が原因です。
湿気で髪が広がるという現象は、空気中に含まれる水蒸気が毛髪内部へ吸収され、水素結合が切れたりつながったりすることにより起こります。湿度によって結合が切断された場合、クセやうねりが出たそのままの状態で乾燥(再結合)されるため、髪が広がってしまうのです。逆に、水で濡らして寝癖などを直す時は、ドライヤーとブラシでブローすると髪が伸ばされた状態で乾燥(再結合)され、きれいにセットできます。
スタイリング剤で髪の広がりを抑える
髪の広がりを防ぐには、髪に水分を吸収させないことが重要です。スタイリング剤で毛髪表面をコートして、対策してみましょう。スタイリング剤を選ぶときの大事なポイントを紹介します。
①オイル成分が多く配合されているもの
オイル成分が毛髪をコートし、外部からの水分の侵入を防ぎます。ここで大事なポイントは、水性成分や親水成分の含有が少ない製品を選ぶこと。少ないほど、よりしっかりとコートされます。例えば、バームやオイル、油分の多いヘアクリームが適しています。濡れ髪やストレートスタイルにもぴったりです。
湿気による髪の広がりを抑制できるか、バームを使って実験しました。(図1)バームを塗布した場合、湿度が高くなっても広がりが抑えられています。
もう一つのポイントとして、油分が揮発しないことも大切です。
アウトバスオイルとスタイリングオイルの違い お風呂あがりにつけるアウトバストリートメントオイルは、髪をドライヤーなどの熱ダメージから守ったり、主にヘアケアを目的としています。一方、スタイリングオイルは、濡れ感を演出したり、保湿してまとまりをよくする等、スタイリングしたものをキープするために乾きにくいオイルで作られています。「オイル成分でコートする」目的にはスタイリングオイルの方が向いています。 |
②セット成分が多く配合されているもの
セット成分が多く含まれるスタイリング剤を選ぶポイントは、「塗布時に髪が濡れないこと」。一度濡れてしまうと、そもそものスタイルが崩れてしまいます。粒子が細かく濡れにくいスプレーがとくにおすすめです。水性成分や親水成分の含有が少なく、髪に被膜を張ってくれるセット成分を多く含有するジェルやフォーム、ワックスも水分をカットしてくれます。
広がらない髪にするための毎日のケア
キューティクルが開いているダメージ毛は、空気中の水分を取り込みやすく、うねりや広がりにつながります。まずは、キューティクルを整えることが大きなポイントです。
健康毛をキープするためには、日頃のヘアケアをしっかり行うことが大切です。
- 日傘や帽子をかぶるなど、髪にも紫外線対策のケアをしてあげましょう。
- キューティクルのダメージを防ぐため、入浴後はすぐに髪を乾かしましょう。
- ドライ時は、乾きにくい根元を中心に乾かすと、時間短縮につながるとともに毛先の過乾燥が防げます。
- ドライの仕上げに冷風を当てると、キューティクルがしっかり閉じるので、毛髪内部や表面がダメージを受けづらくなります。(毛髪のダメージ要因について詳しくはこちら。)
湿気による髪の広がりを抑える方法としては、梅雨など湿度の高い時期に縮毛矯正やストレートパーマを施術することも効果的です。ヘアサロンのプロに髪の状態について相談しながら取り入れてみてください。
まずはスタイリング剤でコートする方法とともに、日常のヘアケアをしっかり行い、キューティクルの開きや髪の乾燥を防ぐことが、湿気による髪の広がりやうねりを軽減させることにつながります。お気に入りのヘアスタイルをキープし、梅雨時期を快適に過ごしましょう。
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