2022.08.31

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クセ毛を構造から扱いやすく~毛髪の形状に作用する新技術~

ルベルは、より安全でより高いパフォーマンスを実現するために、様々な原料と技法を組み合わせて製剤化する技術研究を進めています。
今回は、毛髪の形状に作用する新技術の開発について紹介します。

複雑になるクセ毛の悩み

髪のゴワつきやパサつき、雨や湿度の高い日には髪が広がったりうねったり、クセ毛による髪の悩みは尽きません。日本人の8割以上がクセ毛に悩まされているともいわれる現代、クセ毛を扱いやすくするためのストレートパーマや髪質改善トリートメントの人気が高まっています。
一方で、ハイトーンなどの多様なカラーテクニックやヘアアイロンの熱ダメージなどによって複雑化する毛髪コンディションとクセ毛の複合化により、ヘアサロンでは薬剤選定などの難易度が上がってきています。
また、クセ毛は扱いやすくしたくても髪にはダメージを与えたくない、という永遠の課題があります。そこで私たちは、この課題を解決すべく新しい技術開発に取り組みました。

毛髪の形状にアプローチする「活性化プレックス」

ストレートパーマはSS(シスチン)結合という化学結合を組み換えて形状に作用させます。通常、持続的に形状へ作用させようとするとダメージ感がでてしまったり、ダメージを抑えようとすると形状に作用できず一時的な形状変化しかできなかったりします。そこで、形状への持続的なアプローチとダメージを抑えることを同時に実現するためSS結合を補助する毛髪結合技術のプレックス系成分に着目し、ある成分との組み合わせが有効であることを発見しました。

それは、毛髪保護成分から構成されるプレックス成分(酒石酸)と尿素との組み合わせでした。

どのようにして毛髪の形状へのアプローチとダメージを抑えること、その両立が達成できたのか、そのしくみを解説します。

① 持続的に形状に作用

活性化プレックスの成分は毛髪の側鎖と親和性が高く、側鎖同士をつなぎ合わせるような形で定着します。この新しい結合が毛髪内で多数形成されることで、毛髪に新しい形を形状記憶させることができます。
また、従来のプレックス成分とは異なりSS結合の切断を伴わずに架橋を形成するため、ストレートパーマだけでなくトリートメントにも搭載できることになりました。

・やわらかさ
従来のストレートパーマではストレート効果が高まると質感が硬くなる傾向がありますが、活性化プレックスは、尿素との結合部位が蝶つがいのような構造をしていることで自由に動くようになり、やわらかさを実現。この蝶つがい構造による「構造的なやわらかさ」によって、新しい結合が増えても柔軟性を失わず、毛髪にやわらかな動きをもたらします。

②ダメージを抑える
活性化プレックスはケア成分の組み合わせ(酒石酸と尿素)で実現しているため、毛髪に対してダメージを与えづらくなっています。それどころか尿素は保湿力が高いため、定着することで毛髪内に水分を蓄えることができ、補修効果が得られます。

・湿気で広がらない
活性化プレックスは毛髪の水分保持力が高くなるため、外部からの水分変化による影響を防ぎます。つまり、クセ毛で気になる雨や湿気による髪の広がりを抑えることができます。

「活性化プレックス」で扱いやすいクセ毛に

通常のトリートメントに活性化プレックスを搭載して、モニター検証を実施しました。
活性化プレックスにより、形状を補正しながら緩いクセ毛の原因となるねじれをやわらげています。ハチまわりのふくらみも抑えられ、根元から扱いやすくなりました。

“クセ毛を自然にやわらげる”という新しい技術を、皆さまに実感してもらえることを楽しみにしています。

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